レザーを着て死ね

夏でもレザー着てる人のブログ hustle & hustling

虫酸が走るナルシズム

 ユダヤ系の心理学者で、新しい心理学の体系を作ったシグナム・フロイト

フロイトはナルシズムという言葉を発明した。ナルシズムとは、ギリシャ神話に登場するナルキッソス(ナルシス)という少年の物語に由来する。

 ナルキッソスはたぐいまれな美少年として生まれた。ニンフ(妖精)がナルキッソスに思いを寄せ、その思いを打ち明けるが、彼は歯牙にもかけず、彼女を冷たくあしらう。拒否されたニンフは、復讐の女神にそのことを伝える。復讐の女神は、「自分だけを愛し、他人を愛することのできない者には、終生自分だけを愛するような人生が待っているだろう」といって、ナルキッソスに呪いをかける。

 あるとき、ナルキッソスは水を飲むために池のほとりにやってきて、水面に映った自分の姿を水の精と勘違いし、激しい恋に落ちる。水に手を入れて、なんとか相手を抱こうとするが抱けない。水が澄んでくると、また相手の美しい姿が浮かぶ。結局、ナルキッソスはその場を離れることができず、寝食を忘れて水面に映る我が身を見つめながら、痩せ衰え死んでいく。

 この物語にはさらに続きがあって、彼は死後、三途の川を渡る途中でもなお水面に映る我が姿をとらえようとして、川の中に落ちてまう。ナルキッソスの死を悲しんだニンフたちが葬儀をしようとするのだが、彼の死体はどこにも見つからない。ただ、彼が落ちた川のほとりに一輪の花が咲いていたので、ニンフたちはその花をナルキッソスと名付けた。それは日本でいう水仙で、この花を英語でナーキッサスという。

 おい、見てるか?ブラック企業の経営者たちよ。利己の利潤だけを追い求め、他人に感謝しない者の末路を。 

 俺は、見てるよ鏡にうつる新調したルイスレザーを着た自分の姿を。俺が死んだら、その場所は牛小屋にしてくれ。すべすべのレザーがとれそうな牛小屋に。