レザーを着て死ね

夏でもレザー着てる人のブログ hustle & hustling

ミニ四駆 vs バトル鉛筆

昨日、トイザラスに行ってきた。店内にある多種多様なおもちゃを物色。子供の時に遊んでたロボットやレゴも今では子供の遊び道具とは思えないぐらい進化している。そこに一つ、目にとまるおもちゃがあった。 
昔よりも流線型になったフォルム、少し様変わりしていたがミニ四駆だった。 
高鳴る鼓動。失われた熱い情熱が蘇る。ミニ四駆を見ると甘酸っぱい青春の思い出と供に「ヤマザキ君」という子をいつも思いだす 

当時、自分の通う小学校ではミニ四駆が流行っていた。皆、お年玉も小遣いも全てミニ四駆に費やしてた。放課後はコースを持っている子の家に集まり、自慢の愛車を覚えたての指しゃぶりのように何度も何度も走らせていた。コースを持っていることが人気者の証みたいなものだった。生活はミニ四駆中心にまわっていて、ミニ四駆を通して新しい友達とも仲良くなったり、毎日遊んだりと、一部にはミニ四駆のことで喧嘩する程に愛してる子もいたぐらいだ。その反面、ミニ四駆をしていない子はクラスで浮いた存在になり、ミニ四駆をやってないと仲間はずれやで?みたいな謎の空気にクラスが包まれていた。 

話しは変わるが、当時ミニ四駆の他に、小学生が熱中するものの一つにバトル鉛筆があった。この鉛筆はドラクエのキャラが印刷されていて、鉛筆が六画のサイコロになっていた。一面一面に攻撃や防御、魔法等の行動パターンが書かれていて、何人かで振りあって遊ぶものだった。文房具の一種なので学校でも遊べるおもちゃとして一世風靡していた。でも、私のクラスでは、担任の意地悪教師が、「バトル鉛筆は文房具ちゃうから」と言い、学校内の持ち込み全面禁止にされて闇に葬られてしまい全然流行らなかった。 
バトル鉛筆は大ボスキャラの【デスタムーア】クラスのキャラになると、もはや鉛筆と呼べる代物ではなく、30センチ物差しよりでかくて、どうやってそれ削んねんぐらいのもんだった。しかも鉛筆のくせに1,500円ぐらいで売買されていて、その規格外の大きさと価格から他校でも持ち込み禁止になっていたらしい。 

そんな中、小5の終わりぐらいに私のクラスに「ヤマザキ君」という転校生がやってきた。当時、学級王ヤマザキっというアニメが流行っていて、普通ならば名前と転校生というポジションだけでも確実に人気者になれる存在だった。だがヤマザキ君はなかなか友達が出来なかった。 

担任の「今日は転校生がきます」の一言にクラスがざわつく。「はいっといで」と言われ、教室に堂々と入ってくる男の子。 

その転校生はランドセルにタテブエ入れるみたいな感覚でデスタムーアさしとった。 

バトル鉛筆がかなり流行ってる地区から転校してきたらしく、うちの学校にもそのノリで来てもうてた。ボスキャラまで登校初日に持ってきて、彼のこの日の意気込みは半端なものじゃなかったんだろう。 

それがいけなかったんだろうか、ミニ四派の者とは全然そりがあわなくて、誰もあまり話しかけない日々が続くこととなった。 

そしてヤマザキ君、これはあかんぞ、これでは友達できひんぞ、と焦ったのだろう。次第にデスタムーアもさしてこないようになっていった。でも一度刷り込まれたイメージというのはそう簡単に消せるものじゃなく、依然としてあまりクラスにとけ込めていない様子だった。小学生は残酷だ。 

そんなある日の休み時間に「授業中、ヤマザキ君がブルブル震えてる!」とヤマザキ君の2つ後ろの席に座っていたフナゴンから報告を受けた。どうしたんやヤマザキ君、中々仲の良い友達できへんから泣いてんのとちゃうか?もしかして病気とちゃうんか?とミニ四派閥のめんつでヒソヒソと心配する。そんなこんな話し合いもよそに次の授業が始まる。授業中、ヤマザキ君に目をやるとフナゴンの報告通り確かにプルプル震えている。どうしたんや?ほんま体調悪いんちゃうか?とヤマザキ君を凝視するとある事実が発覚。 

デスタムーアでノートとってた。 

削ってもうたでおい。。デスタムーア太長すぎて、手けいれんしてるやん。とんでもないアピールの仕方や、ミニ四派に白旗あげてきたわ。ヤマザキ君の心の叫びが聞こえてきたようだった。 

その授業終わったあと、ヤマザキ君にすぐ話しかけた。