自然にかえれ
文明開化の音がなり、はや数百年。人々は洋服に身をつつみハンバーガーを食べ、三味線ではなくガンガンうるさい電子音がこだまするこの現代。かつての研ぎすまされた牙は無くなり、政府から与えられた中流というエサで満足するブタだらけと化した我ら日本人。
近代化は良いことばかりではなく、時として心を蝕んでいく。かつてルソーが「自然にかえれ」という言葉を残した。物質的欲求を満たすことと精神的欲求を満たすことはイコールでは決してないのだ。人間はここいらで全てを無に返すべきだと私は考えている。アメリカの資本主義の豚ドモはとんでもないもの価値観を日本に持ち込んでくれたものだ。侍ソウルを宿した吾輩には便利や科学なんぞ糞っくらえなのである。
糞といえば、手始めにアメリカ批判の意味合いも込めて洋式便所を使う生活を改め、久しぶりに和式で用を足した。やはり和のスタイルがしっくり馴染む。忘れかけていた侍としての誇り、先人達が築きあげてきた様式美に涙とウンコが流れ出す。そんなわびさびを感じさせる静寂の空間をブリブリ音が切り裂く。
そう、新たな文明開化の音がする。
ピリオドをつけるべく、金具に手をかける濁流に飲み込まれる物を見送ろうとしたが便器内にブツはなかった。立ち上がって周りを見渡すと、座る位置が手前すぎて完全に便器外にコンモリ落ちてた。
やっぱり洋ですわ。普及するにはそれなりの理由がありまんねやわ。
- 作者: J.J.ルソー,桑原武夫,前川貞次郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1954/12/25
- メディア: 文庫
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